Lektion 14 過去形

英語と違ってドイツ語の過去形には人称変化があります。人称変化する前の形が「過去基本形」です。

過去人称変化

過去人称変化は,Lektion 13で学んだ「過去基本形」に教科書S.36の表に示した語尾をつけます。この表を見るとわかるように,現在人称変化と異なるところは2か所だけです。すなわち

① 主語がichの時の語尾 –eがない。

② 主語が3人称単数の時の語尾 –tがない。

したがって,ichと3人称単数の人称変化形は同じ形(=過去基本形そのまま)になります。 実はこの過去人称変化の語尾(ichと3人称が同じ形で語尾なし,あとは現在人称変化と同じ)は,話法の助動詞の人称変化語尾と全く同じです。つまり新しく覚えることは何もないので安心して下さい。

過去形と現在完了形の使い分け

ドイツ語では過去形は主に物語や小説で用いられ,日常会話,手紙,メールなどでは過去を表現するのに現在完了形を使います。現在と関係のないフィクションの世界では過去形,現在と関係する会話やメールでは現在完了形という使い分けです。
ただし,以下の動詞・助動詞は会話でも過去形が使われるので,過去形もしっかり覚えて下さい。

《主に過去形が用いられる助動詞》
 werden:受動の助動詞
 können, dürfen, müssen, wollen, sollen:話法の助動詞

《過去形もよく用いられる動詞》
 denken 思う,geben 与える,haben 持っている,sein …である,wissen 知っている