2つの文を対等な関係ではなく,一方を他方に従属させる形で結びつける接続詞が「従属接続詞」です。「従属させる」というのは,一方の文がもう一方の文の目的語になっていたり(例えば英語のI know that he bought an iPad. のthat he bought an iPadはknowの目的語になっています),一方の文が他方の文に条件や理由を付加している場合(英語のTom won’t come because he is sick. のbecause he is sickは,トムが来ない理由の説明です)のことです。従属接続詞に導かれ,常に別の文を補うような形で使われる文を「副文」といいます。「副文」は,英文法の「従属節」に相当します。
主な従属接続詞
それではよく使われる従属接続詞を例文と共に見てみましょう。 副文では定形が文末に置かれることに注意して下さい。従属接続詞と文末の動詞の定形で枠構造になります。
dass …ということ(英 that)
Wissen Sie, dass er nach Europa fährt?
彼がヨーロッパへ行くのを知ってますか?
obwohl …にもかかわらず(英 though)
Er arbeitet noch, obwohl er schon alt ist.
彼はもう年だが,まだ働いている。
weil なぜならば(英 because)
Er kommt heute nicht, weil er krank ist.
彼は今日は来ません。病気なのです。
wenn もし…ならば(英 if)
Was machen Sie, wenn er nicht kommt?
もし彼が来なかったら,どうするのですか?
☞ 日本語では「もし…ならば」を先に言いますが,ドイツ語の疑問文は,疑問詞か動詞で始めなければならないので,疑問文ではwennで始まる副文を前に置くことはできません。
★疑問文でなければ,副文を主文の前に置くこともできます。 副文を主文の前に置くと,主文の動詞の定形は副文の直後に置かれます。副文全体が1つの文成分と見なされ(これが1番目)るので,主文の定形が2番目に置かれるのです。
1文成分 第2位
[Wenn das Wetter schön ist,] spiele ich mit ihm Tennis.
もし天気が良ければ,僕は彼とテニスをします。
als …した時(英 when, as)
Als ich nach Hause kam, war meine Schwester schon im Bett.
僕が家に帰った時,妹はもう寝ていた。
während …している間に(英 during)
Während sie eine Mail schreibt, kocht er Kaffee.
彼女がメールを書いている間に,彼はコーヒーをいれる。
da …なので(英 as)
Da das Wetter schlecht ist, bleibt er den ganzen Tag zu Hause.
天気が悪いので,彼は一日中家にいる。
聞き手が既に知っている理由を挙げるときにはdaを,聞き手が知らない理由の場合はweilを使います。weilの文は新しい情報なので,ふつう主文の後に置かれます。
間接疑問文
Darf ich fragen, wie alt Sie sind?
何歳か聞いてもいいですか?
Wie alt sind Sie?「何歳ですか?」という疑問文が Darf ich fragen?「質問してもいいですか?」の目的語 (間接疑問文)になっています。間接疑問文は,疑問詞を従属接続詞とする副文です。疑問詞と文末に置いた動詞の定形で枠構造になります。
★疑問詞のない疑問文を間接疑問文にする場合は英語のwhetherやifに当たるob(…かどうか)という従属接続詞を使います。
Ich weiß nicht, ob sie noch in Japan ist. < Ist sie noch in Japan?
彼女がまだ日本にいるかどうか私は知らない。