Lektion 4ではすべての格変化の基本となる定冠詞と不定冠詞の格変化のみを扱いましたが,この課では,その他の冠詞類の格変化を学びます。
定冠詞類
dieser (英 this),welcher (英 which),jeder (英 every),aller (英 all),solcher (英 such) などは定冠詞とほとんど同じ変化をするので「定冠詞類」と呼ばれます。辞書にはここに挙げた(–erという語尾のついた)男性1格の形で載っています。この–erの部分が性と格によって変化します。それでは教科書S.18の表でdieserの格変化を見て下さい。基本的に定冠詞の格変化と同じですが,微妙に違うところがあるので,確認しておきましょう。
1) 中性の1・4格
定冠詞はdasでしたね。つまり語尾は–asです。ところがdieserの中性1・4格はdiesesで,語尾は–esになります。
2) 女性・複数の1・4格
定冠詞はdieですから語尾は–ieです。ところがdieserの女性・複数の1・4格はdieseなので,語尾は–eです。この語尾は不定冠詞と同じですね。
★ welcher, jeder, aller, solcher等のdieser以外の定冠詞類もdieserと同じ変化をします。
Dieses Buch ist interessant. この本は面白いですよ。 (中性1格)
Welche Tasche kaufen Sie? どのバッグを買うのですか? (女性4格)
所有冠詞
英語の my, your などに相当するのが所有冠詞で,不定冠詞と同じ変化ですが,不定冠詞と違って複数形もあります。なお「あなた(方)の」という意味のIhr(2人称敬称Sieの所有冠詞)は,Sieと同様に文中でも常に大文字で書き始めます。
Sein Auto ist kaputt. 彼の車は壊れてます。 (中性1格)
Kennen Sie meinen Bruder? あなたは私の兄を知ってますか? (男性1格)
それでは所有冠詞meinの格変化を教科書S.18の表で見て下さい。不定冠詞と全く同じ変化ですから,男性1格と中性1・4格には語尾がありません(教科書の表では△印)。複数形は定冠詞類と同じ変化になります。
★ 他の所有冠詞もまったく同じ変化です。
冠詞類の格変化の覚え方
★1番よく出てくるのは主語になる1格と直接目的語になる4格なので,まずは1格と4格を覚えましょう。
★ 幸いなことにドイツ語は男性名詞以外は常に1格と4格が同じになるので,1格を全部と男性の4格を覚えれば大丈夫です。
★ 余裕のある人は3格と2格も覚えておけば完璧ですが,それぞれの性の1格と4格をしっかり覚えておけば,それとは違う形が出てきたときに「あ,これは3格か2格だ!」と分かります。動詞の間接目的語「…に」になっていれば3格だし,名詞を後ろから修飾していれば2格です。
★ いずれにしても表の丸暗記はおすすめしません。暗記ばかりしているとドイツ語が嫌いになります。それよりもドイツ語をたくさん聞いて,たくさん読んで,ドイツ語に慣れて下さい。たくさんのドイツ語が脳にインプットされれば格は自然に分かるようになります。